当会では、救護活動における傷病者及び救護員双方の安全確保並びに一次救命処置の質の向上を目的として、バッグ・バルブ・マスク(以下「BVM」といいます。)を導入し、その使用に関する運用基準を定めています。
心肺停止傷病者に対する人工呼吸は、一次救命処置における重要な手技の一つですが、口対口人工呼吸では、傷病者の唾液等への接触による感染リスクが懸念されます。
このため、当会では、より確実な感染防止対策を講じる観点からBVMを導入し、ディスポーザブル式(使い捨て)の人工鼻フィルター(HMEF)及びマスクを使用するなど、感染リスクの低減に配慮した運用体制を整備しています。
一方、BVMによる人工呼吸には、適切な気道確保やマスクの密着、換気量及び換気回数の管理など、一定の知識と技術が求められ、不適切な使用は傷病者に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このことから、当会では、医療担当顧問の助言を受けながら「バッグ・バルブ・マスク運用基準」を制定し、使用対象を心肺停止傷病者に限定するとともに、実施者の要件、実施方法及び安全管理等について明確に定めています。なお、心肺停止に至っていない傷病者に対する補助換気は実施しません。
BVMによる人工呼吸は、原則として2人の救護員が役割を分担して実施し、所定の研修を修了した上で、必要な技能を有することが確認された会員のみが担当します。また、1年ごとに技能確認を実施し、継続的な技術の維持及び向上を図っています。
なお、BVMの使用にあたっては、胸骨圧迫やAEDの使用など、重要な一次救命処置を妨げないことを原則とし、傷病者の状態や現場の状況に応じて適切な処置を優先します。
当会では、今後も傷病者及び救護員双方の安全を最優先に、継続的な教育訓練と安全管理体制の充実を図り、より安全で質の高い救護活動の実現に努めてまいります。
【BVM運用基準に定める研修内容】(抜粋)
(1)心肺停止の判断
(2)BVMの構造及び使用方法
(3)BVMの構成品、組立方法及び傷病者に応じた適切なマスクの選択
(4)気道確保
(5)EC法その他適切な方法によるマスク保持
(6)2人法によるBVM換気
(7)適切な換気量及び換気回数
(8)胸郭挙上の確認
(9)嘔吐その他のトラブルへの対応
(10)胸骨圧迫及びAEDとの連携




