安全・安心なイベント開催のために

各地では、地域の祭りやマラソン大会、花火大会、スポーツイベントなど、日々さまざまなイベントが開催されています。
しかし、人がたくさん集まるということは、それだけケガ人や急病人が発生する可能性も高まります。
「イベントに訪れた人が、楽しい気持ちのまま家に帰れるように」、当会は救護班活動でイベント開催をサポートします。

また、当会の強みは、救護活動に必要な人材、体制及び資器材(一部を除く)のすべてを当会で用意し、それを一つの救護リソースとしてワンセットでご提供できることです。
当会保有の資器材や消耗品を使用した場合でも、かかった費用等をご請求することは原則としてありません。
当会は、活動に際してかかる経費のすべてを、会費や各自の自己負担のほか、行政や企業の助成金制度、そして皆様からのご寄付などで賄っています。

救護班活動

イベント救護活動は、そのイベントの規模に応じて、必要な会員(以下「隊員」と表記します。)を配置しておこないます。
主催者が設置する救護所を拠点とし、ケガ人や急病人の発生に備えて待機するほか、救急事案発生時の初期対応を実施します。
活動の主たる目的は、第一に「救急車が必要な状態か、そうではないかの判断をすること」、第二に「救急車が来るまでに適切な応急手当や一次救命処置をおこなうこと」または「救護所での手当により快復を目指すこと」です。

救護活動の体制としては、小規模~中規模のイベントであれば、「通常体制」として救護所に隊員数名が待機・巡回するほか、範囲が広大な大規模イベントであれば、「遊撃体制」により、いち早く現場に駆け付けることが出来る体制をとっています。
また、いずれの体制においても、明確な役割分担と指揮命令系統を確立し、円滑な救護活動及び部隊運用に努めています。

通常体制

救護所を拠点に、2~6名程度の隊員(規模により変動)が常時待機します。
傷病者が直接救護所に来所した場合はもちろん、会場内で発生した事案には、2~3名の隊員がすぐに駆けつけます。
気分不良や熱中症の傷病者で軽度の場合は、救護所のベッドで安静にさせたり、身体の冷却や水分補給をさせたりすることで、快復をサポートします。
また、転倒による擦過傷や靴擦れに対する絆創膏の提供や、火傷や骨折等のケガに対する応急手当もおこないます。
なお、救護所での対応が困難な場合や、緊急度・重症度が高い場合は、すぐに119番通報により救急車を要請し、救急隊に適切に引き継ぎます。

遊撃体制

2~3名1組の遊撃隊を複数隊編成し、常時会場内を巡回することで、救急事案の発生現場へいち早く駆けつけて対応します。
各遊撃隊は、大隊長や中隊長の指揮のもと、小隊長と隊員が一致協力しながら活動にあたり、救急事案発生時には、必要に応じて複数の隊を応援に向かわせるほか、同時多発的に発生した救急事案にも対応できる体制となっています。
また、主催者と協力のうえ、運営本部のそばに当会の救護本部を設置して、警察や警備、消防などの関係機関と連携しながら、救急事案の発生状況や対応状況を一元的に把握・管理することで、確実な救護体制を確立します。

当会では、救護班として「そもそもケガ人や急病人が発生することを未然に防ぐことも大切」と考えています。
そのため、主催者に了解を得たうえで、会場内の巡回に併せて、参加者や来場者に対して熱中症の予防や事故防止の声かけなども同時におこなっています。
また、救護班の存在を知ってもらうことで、安心してイベントを楽しんでもらうことも大切な取り組みの一つだと考えています。

会員の種別と安全管理

当会の会員はすべて、「グリーン会員」と「レッド会員」の2つの種別に区分しています。
これは、会員同士がお互いに、「誰が、どのようなスキルを持ち、どこまでの行為をして良いのか」を明確にすることで、より安全・確実な救護活動を目的としているものです。
なお、グリーン会員は緑色のネックストラップを、レッド会員は赤色のネックストラップを着用することで、会員同士が視覚的に瞬時に見分けられるようにしています。

グリーン会員

レッド会員に該当しない会員を、グリーン会員として定めています。
グリーン会員は、特別な医療資格や専門的な知識・技能の有無にかかわらず、当会が定める活動範囲の中で救護活動に従事する会員です。
レッド会員のみに認められている一部の行為を除き、傷病者への応急手当や救護所の運営など、さまざまな場面での活動を担っています。
なお、グリーン会員とレッド会員に指揮命令上の優劣や立場の上下は無く、それぞれの知識や技能、役割に応じて活動するための区分です。

レッド会員

レッド会員は、次項でご紹介する「救護班活動においてできること」のうち、”実施するにあたり医学的な知識を有していることが望ましい行為”を実施できる会員とし、具体的には次のような項目を定めています。

  • 直接圧迫止血法以外の止血法による止血
  • 自動式血圧計または半自動血圧測定器(ポンプ式を含む)を用いた血圧の測定
  • 聴診器を用いたバイタル測定、心音や呼吸音の観察
  • 検眼ライトを用いた瞳孔の対光反射の観察
  • BVM使用時のマスクフィット


これらの行為は、必ずしも医療資格を必要とするものではありませんが、”実施に当たっての禁忌や注意事項を理解しておく必要があるもの”や、”測定・観察結果の意味を正しく理解し、傷病者の状態を適切に評価するための知識が求められるもの”です。
そのため、当会では、これらの行為を安全かつ適切に実施するために必要な知識・技能を有すると認められた「レッド会員」に限り、実施を認めています。
なお、これらの資格を有していることをもって、自動的にレッド会員として認定されるわけではありません。例えば、看護師免許を有していても、長期間にわたり臨床現場から離れているなどの理由により、当該行為の実施に不安を感じる場合も考えられます。そのため、当会では本人の意思を尊重し、資格の有無にかかわらず、本人が希望しない場合にレッド会員としての認定を行うことはありません。

資機材の管理

また、会員の種別によって実施できる行為が異なることから、使用できる資機材についても区分を設けています。
例えば、検眼ライトや半自動式血圧計など、レッド会員にのみ使用を認めている資機材を、グリーン会員が誤って使用することのないよう、適切に管理する必要があります。
そのため、当会では救護バッグの各ポケットに赤色または緑色のタグを取り付け、使用できる会員の種別を一目で判別できるようにしています。
緑色のタグが付いたポケットは、グリーン会員・レッド会員のいずれも開けて使用することができる一方、赤色のタグが付いたポケットは、レッド会員のみが開けて使用できるものとし、グリーン会員が開けることを禁止しています。
このように、資機材の管理方法にも明確なルールを設けることで、会員による誤使用を防止し、安全かつ適切な救護活動の実施に努めています。

救護班活動において、できること・できないこと

当会は病院などに属する組織ではなく、あくまで一般のボランティア団体であることから、出来ることには限りがあります。
それらについてご説明します。

できないこと

法律上、医行為(医療行為)は出来ません。
会員の中には、看護師や救急救命士などの医療系免許を持つ者もいますが、いずれも業務外・病院外での活動であるため、法律上その扱いは一般人と同じであり、やっていいことも一般人と何ら変わりありません。(医師免許を持つ会員を除く。)
看護師や救急救命士の普段の仕事(病院や救急隊など)ではやっていいことも、ボランティアでは出来ないことが多くあります。
当会は、法律の定める範囲の中で、医療に関する知識やスキルを活かしながら、出来る限りの初期対応をおこないます。

【出来ないことの例】
注射(インスリン含む)、点滴、薬の処方、酸素投与、傷口の縫合、器具を用いた気道確保、病名の診断 ...etc.
※テーピングによる固定についても、スポーツ整体等の専門的知識が必要なため、当会ではおこないません。

できること

反対に、医行為に該当しないことであれば、一般人がおこなっても問題はありません。
ただし、やみくもにやってはならず、人体構造に関する知識や、正しい手技や禁忌事項を知っておく必要があります。
当会では、レッド会員が中心となり、医療担当顧問の助言も受けながら、全ての会員に対する研修を適宜おこない、正しい知識と正しい手技による救護活動がおこなえるよう、体制を整備しています。
また、それでも正しい判断が難しい項目や、絶対に間違えられない手技もあることから、内規にて「すべての会員が実施することのできる行為」と、「レッド会員のみ実施することのできる行為」に分けて定義することで、事故の防止及び安全確実な救護活動に努めています。

【出来ることの例】
バイタル測定、ケガや熱傷等に対する応急手当、直接圧迫止血、骨折の固定、身体の冷却、一次救命処置、体位管理 ...etc.

BVMの使用について

当会では、救護活動時に傷病者が心肺停止状態である場合に限り、バッグ・バルブ・マスク(BVM)を使用しています。
詳細についてはこちらのページをご確認ください。