一般人である救護ボランティアは、何をどこまでおこなって良いのか。
当会の解釈と運用についてご説明します。
用語の定義
このページにおける用語の定義は、次のとおりです。
【救急救命処置】
救急救命士が重度傷病者に対しておこなう気道の確保、心拍の回復その他の処置のこと。
【応急処置】
傷病発生現場ないし搬送途上で、訓練を受けた救急隊員がおこなう処置のこと。
【応急手当】
一般的な傷病の悪化を回避することを目的とした、医療従事者に限らず誰でもおこなえる最低限の手当てのこと。
【一次救命処置】
心肺停止傷病者に対し、緊急病態を認知し、119番通報をおこなうとともに、気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫及びAEDを用いた除細動により自発的な血液循環を回復させる試みのことで、医療従事者に限らず誰でもおこなえる心肺蘇生法のこと。
医行為をしてよい者とは誰か?
日本には、「医師法」という法律があります。その中で、次のような定めがあります。
医師法 第17条
「医師でなければ、医業をなしてはならない。」
また、この「医業」という言葉については、平成17年7月26日付 厚生労働省医政局長通知により次の解釈が示されています。
ここにいう「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。
(平成17年7月26日付 医政発第0726005号 厚生労働省医政局長通知)
つまり、医行為(医療行為)は、医師以外のものが反復継続する意思をもっておこなってはならないわけです。
では、看護師はというと、「保健師助産師看護師法」にて、次のように定められています。
保健師助産師看護師法 第37条
「保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をし、又は助産師がへその緒を切り、浣腸を施しその他助産師の業務に当然に付随する行為をする場合は、この限りでない。」
これにより、看護師が医行為をおこなって良いのは、主治の医師の指示による場合に限られています。
(臨時応急の手当ては認められています。ただし、その臨時応急の手当てに医行為が含まれている訳ではないと解釈しています。)
同様に、救急救命士は、「救急救命士法」にて、次のように定められています。
救急救命士法 第44条
「救急救命士は、医師の具体的な指示を受けなければ、厚生労働省令で定める救急救命処置を行ってはならない。」
したがって、医行為をおこなって良いものは、「医師」か、「主治の医医の指示を受けた看護師」か、
「医師の具体的な指示を受けた救急救命士」に限られるという事です。ここまでは非常に明確です。
仮に、救護ボランティアのメンバーの中に医師免許を持つ者がいる場合で、その者が救護現場に居るのであれば、
その者自身が医行為をおこなうことについては、法律上何ら問題はありません。
医師の指示があれば救護所で医行為をして良いのか?
医師の指示を受けさえすれば、看護師や救急救命士の免許を持つメンバーが医行為をしても良いのでしょうか?
答えは「してはいけない」です。
まず、看護師については、前出の保健師助産師看護師法第37条において、「主治の医師」の指示が無ければなりません。
例えば、救護ボランティアで活動中の救護所に、自団体に所属する医師のメンバー、または他の病院から派遣され、
同じ救護所で一緒に救護活動をしている医師が居たとします。
そこに傷病者がやってきて、当該医師から傷病者に対して医行為を指示されたとしても、それは
