【活動報告】第2回スキルアップ研修 を開催しました!

いつも当会の活動を応援いただき、ありがとうございます。
今回は、9月に実施した「第2回スキルアップ研修」の模様をご紹介します!
全会員が参加した今回の研修は、新しく入会していただいた方も多いことから、「救護活動の基本」を学ぶことをメインに実施しました。
第1部:基本を学ぶ座学
救護活動のイメージを持つ
当会は毎月どんどんと新しいメンバーが増えています。
そのため、まだ救護活動に参加したことのない方も多く、「イベント救護ってどんなことをするの?」と、なかなかイメージが湧かない方も。
そこで、まずはイベント救護活動の雰囲気と流れを感じてもらうため、実際の活動のウェアラブルカメラ映像を見ていただきました。
本物の現場、本物の傷病者、隊員の動き、会話、観察、無線交信、救急要請…
リアルな映像から、「自分ならどうするか」を考える。これも大切な訓練です。

まずは無線機に慣れることから
次のカリキュラムは、救護活動には欠かせない”無線機”の取り扱い方。
当会が使用している無線機は、「デジタル簡易無線機」と呼ばれる資格や免許が不要のもので、よくあるトランシーバーに比べて遠距離の交信が可能です。
ただし、無線機で話すにはいくつかのコツがあり、それを意識しなければ、相手にきちんと言葉が届かない事も…
また、無線機を通した声は独特の音質になるため、自然に聞き取れるようになるには慣れが必要です。
今回は初めて無線機を触る方も居るなかで、楽しく学べる対戦形式のゲームをおこないました。
アイスブレイクを兼ねたこのゲームは、いくつかの班に分かれて、一方の班はとある絵の形を言葉だけで相手に伝え、もう一方の班は、その言葉だけを頼りに同じ絵を描けるか?というもの。
消防や軍隊などの訓練でもよく用いられるこの手法は、「相手に聞き取りやすい話し方」だけでなく、「物事を簡潔に、端的に、分かりやすく伝える力」を鍛えることができる、とても効果的な訓練のひとつです。



第2部:BVM認定研修
当会では、心肺停止傷病者に対して、確実な換気と感染リスクの低減のため、バッグ・バルブ・マスク(BVM)を導入しています。(詳しくはこちらのページをご覧ください。)
しかし、BVMは誰にでも簡単に扱える資機材ではなく、当会の定めるBVM運用基準では、必要な研修及び実技訓練を受け、技能確認を受けた者だけが使用することの出来る物と定めています。
そこで、今回のスキルアップ研修ではそのBVMに関する研修をおこなうとともに、全員が技能確認を受けました。
心肺停止事案はめったに発生しないため、実際にBVMを使うことは非常に稀なことですが、いざという時に適切に実施できるよう、定期的な訓練をおこなっていきます。(当会では、BVMの操作は1年ごとに技能確認を受けなければならないルールとしています。)

座学研修
まず、座学では「呼吸器の解剖生理」(気道や肺の構造)と、「人間がどうやって呼吸をしているのか」の仕組みから学んでいきます。
もちろん、医学系の知識に馴染みのないメンバーにも理解しやすいよう、必要な範囲のことを簡単にわかりやすく説明します。
研修では呼吸の仕組みを視覚的に理解できるよう、看護学校でも用いられる簡単な肺の模型も登場しました。
呼吸器の次は、BVMの構造や正しい使い方、それを用いる際の注意点などについても学んでいきます。

実技研修
次は実際にBVMを使って、マスクフィットとバッグ操作を学びます。
当会では、バッグ操作はBVM研修を受けた全ての会員が実施することが出来ますが、特に重要なマスクフィットについては、レッド会員のみに限定しています。
研修では、レッド会員とグリーン会員がそれぞれのブースに分かれて、適切な換気量やEC法によるマスクフィット、CPRと組み合わせた2人法による人工呼吸などを実践していきます。
今回の研修では、受講した全員が「技能確認」を修了しました。

第3部:想定訓練
後半戦は、実際の救護活動を想定したシミュレーション訓練をおこないました。
これまで学んだ無線交信のコツや、BVMの技術のほか、各自が持つ知識と技術をフルに生かして、様々な症例に対応していく完全ブラインド型訓練です。
訓練では、実際の救護活動に使う資機材一式を用意し、必要だと思えば資機材は何を使ってもOK。消耗品も使ってOK。
これらは実際に手に取って、使ってみなければ訓練になりません。
全員が真剣に、楽しく取り組んだ想定訓練の一部をご紹介します。

小隊活動訓練
シミュレーションは、実際の救護活動を想定して、様々なパターンでおこないました。
例えば、救護所で待機中に来所した傷病者が、適切な対応をしなければ急変するパターン。
遊撃隊として駆けつけた現場で、適切な対応をしてもなおCPA(心肺停止)に移行するパターン。
救護所に隊員一人を残して現場に駆け付けた後に、さらに救護所にも傷病者が来所するパターンなどなど。
他にも、「現場の安全をどう確保するか」が試されるシナリオや、「泥酔者と傷病者を適切に判別すること」が求められるもの、「3名だけでの同時多発事案への対応」が必要なものなど、実戦さながらの想定をたくさん用意しました。
これらへの対応は、医学的知識に基づいた適切な判断や手当はもちろん、隊員同士のコミュニケーションも非常に重要になってきます。
「自分が集めた情報は、必ず他の隊員にも共有する」「重要なことは、すぐに全員に周知する」「小隊長が判断できるよう、必ず小隊長に報告する」「言いっぱなしではなく、相手に伝わったかを確認する」など、当たり前だけれども重要なポイントがたくさんあります。
また、傷病者やその家族・関係者役には、それぞれの演技内容のほか、仮の個人情報や事案背景が書かれたシートが用意されており、プレイヤー側は、それらをいかに適切に聞き出して情報を集めるか、といった事も試されます。
もちろん、会員にとって”傷病者役をすること”、”関係者役をすること”も非常に勉強になり、自らの接遇を見直す大切なきっかけにもなります。
さらに、救護所長や小隊長には、「今、なにを優先すべきか」「今のリソース(人員・装備)で対応できるのか」「限られたリソースをどう割り振り、誰に何を任せるか」「自分は隊長としてどう立ち振る舞うか」といったマネジメント能力が求められるなど、実戦を意識した非常にリアルな訓練となりました。





研修を終えて
初めて顔を合わせるメンバーも多くいましたが、すぐに全員が打ち解け、真剣なまなざしで受講する姿には、大きな安心感を感じました。
基本をしっかりと学び、押さえておく大切さと、想定訓練のような「応用と臨機応変」の大切さの、両方を学べる研修会でした。
研修会の後には打ち上げ(懇親会)も開催し、お互いのことを知れるとてもいい機会となりました。
現場での安全・確実・迅速な活動の裏には、メンバー同士の仲の良さや風通しの良い関係性が必要不可欠です。
集中すべき時は集中し、緩める時はしっかりと緩める。そうしたメリハリの良さも、当会が大切にしていることの一つです。
当会では、今後もこうしたスキルアップ研修を継続的に実施することで、救護活動の質の維持・向上に努めてまいります。
全ては、「楽しい気持ちでイベントに来た方が、楽しい気持ちのまま家に帰れるように」。

